生理のあとはいつもガックリ

 生理痛はひどくないんだけど、生理中と生理のあとは、すごく疲れて仕方ありません。周りの人は、生理前調子が悪いとか、イライラするとか言うけれど、私はむしろ調子がいいくらい。でも、生理が終わったとたん、めまいがしたり、ぼーっとしたり、風邪ひきやすかったり。生理で、大事な血を奪われたような感じです。。。

 女性と、切り離せないのが生理。痛みなどももちろんよくない現象ですが、その前後疲れたり、貧血を起こすのも、体がちょっと弱っている証拠です。生理痛・生理の量や周期同様、体調もチェックしておいたほうがいいですね。

中国漢方では?

 血液やエネルギーが充分にある人は、生理によって、過剰な熱や体内のいらないものを追い出すので、生理が来たり終わるとすっきりということが多いはず。でもパワーの足りない「気血不足」の人は、生理の出血で、もともと少ない「血」とともに「気」も失ってしまうので、疲れを感じる、眠くなる、めまいがする、ぼーっとするなどの症状が起きてくることがあります。気虚傾向が強いと、だらだらと生理が続いたり、血虚傾向が強いと、生理の量が少なかったりすることもあります。

 中国漢方には、「補気薬」や「補血薬」といった気や血を増やす薬があります。もともと胃腸が弱く気や血を充分に作れない人が多く、胃腸を強くする「健脾薬」も併せて、気や血をつくる機能を助けます。

□胃腸も弱い・疲れやすい・眠くなる・無気力・だらだら不正出血しがち→補中益気湯
□いつも疲れている・やる気がでない・集中力もない→十全大補湯
□生理の量少なめ・貧血気味で肌や髪も乾燥しがち・冷えもある→婦宝当帰膠

 などがよく使われるお薬です。

養生法など

 「気血不足」がすすむと、さらに冷え体質の「陽虚」や、すぐ風邪をひいてしまうバリア機能も弱い「衛気虚」にもなりがち。貧血・冷え・すぐ疲れる症状のほか、生理不順・子宮内膜症などの婦人病・更年期障害・慢性膀胱炎・慢性気管支炎・慢性アレルギー性鼻炎などの病気もおきやすくなります。「気虚」対策は、日頃からお米や雑穀、きのこ類、豆や大豆食品をしっかり摂ること。冷たいもの・油っぽいもの・ドカ食いは避けたほうがベター。

 「血虚」対策は、レバー・卵・豆・魚・大豆製品などの食品を。ビタミン・ミネラル・葉酸の豊富な色の濃い野菜も多めに。造血作用があるといわれる黒ゴマ・黒大豆・黒砂糖・黒きくらげ・なつめ・龍眼肉・くこの実なども。また、消化を助けるしょうが・しそ・フェンネルなどもお奨め。

 パワーがないので無理・無茶は禁物。寝不足・夜更かしなどはできるだけ避けて、運動などもハードなものは逆効果です。もちろん生理前後は、無理しないよう要注意!「気血不足」は、必要なものが不足しているだけでなく、代謝や追い出す力も弱いのでいらない老廃物の「瘀血」や「痰湿」というものも溜め込んでしまいます。食べないのに太るとか、むくみやすいとかいう人も多いタイプ。特に中年以降は、いらないものを追い出すことも考えないと、ぽっちゃり体型になる可能性も。