月経前症候群(PMS)

 PMSは、生理前の約2週間(排卵してから生理がくるまで)におこる、胸のハリや痛み、頭痛、肩こり、イライラ、落ち込み、過食、むくみなどのさまざまな不快な症状のことです。西洋医学では、体温上昇、水分貯留作用もある黄体ホルモンが関係していると考えられています。中医学では、黄体ホルモンに似た概念の「陽気」のバランスが崩れ過剰になると「気」のめぐりが悪くなり、これらの現象がおきると考え、気の流れを整えるお薬を中心に使います。さらに、体質にあわせた薬をくみあわせると効果的です。

イライラが強いタイプ

■肝鬱気滞タイプ

 漢方の気は、「肝」(感情や気持ちのコントロールに関わる)に影響を及ぼします。イライラ、落ち着かない、いつもよりストレスを感じるなどのほか、胸や脇など肝の経絡のハリや痛みがでやすいのも特徴です。 イライラが続くと、熱の症状もでるので、イライラを通り越してきれやすくなったり、ふきでもの、のぼせ、寝汗などの症状がでることもあります。

 高プロラクチン血症、乳腺症、生理周期の乱れなどが起きやすい。 ストレスや悩みをためず発散する工夫を。 香りや香りのよい食べ物やハーブティーでリラックスするのもおすすめ。

 漢方では、「疏肝理気薬」などを利用します。星火逍遥丸、加味逍遥散、柴胡加竜骨牡蠣湯など。

げっぷ・過食など胃腸の調子が悪くなるタイプ

■肝脾不和タイプ

 「肝」(感情)と「脾」(漢方では消化機能と考えます)は正常な状態では、バランスがとれてますが、生理前やストレスが大きいときは、「肝」が「脾」に影響を与え、消化しておりるべきものがおりず、げっぷやガス、吐き気があったり、逆に異常に食欲が亢進してしまうことがあります。ふだんから、胃腸が弱い、暴飲暴食をしたり食事時間が不規則、食事内容が偏っている人に多い。

 逆流性食道炎、過食、胃潰瘍、消化管ポリープなどが起きやすい。 ふだんから、暴飲暴食、冷たいもの、辛いもの、消化の悪いものを控えて、胃腸を守っておくことも大切。香りのよい柑橘系の果物、リラックス系のハーブ、香りのよい野菜などはおすすめ。

 漢方では、「理気薬」や「健脾薬」を利用します。開気丸、星火健胃錠、星火温胆湯など。

頭痛・肩こり・生理痛が強いタイプ

■瘀血タイプ

 気と血は一緒に動きますが、「気滞」が強いときは、「血」も流れが悪く、「瘀血」が生じやすくなります。「瘀血」傾向が強くなると、腹痛、頭痛、肩こりなど血行不良や痛みの症状が出やすくなります。生理がくると、たいていはすっきりしますが、前日くらいから生理開始まで痛みが強かったり、塊が多かったりします。

 生理痛、子宮筋腫、ポリープ、子宮内膜症などが起きやすい。 スポーツや入浴、バランスのよい食事で、日頃から血行をよくする習慣も大切。運動不足・偏食は×。特に脂っぽいものは甘いもの、冷たいものの過食はよくありません。

 漢方では、「疏肝理気薬」と「活血薬」などを組み合わせます。星火逍遥丸、加味逍遥散、冠元顆粒、血府逐瘀丸、婦宝当帰膠など。