新型インフルエンザもじわじわと広がりをみせ、うがいやマスク、手洗いなど、それぞれに対策をとっていると思います。中医学では、「肺」が弱いと、ウイルスなどに感染したり風邪をひきやすいと考えます。漢方で考える「肺」は、鼻、のど、気管、肺、皮膚などの器官とその機能をさします。
日頃から、風邪をひきやすい、のどがすぐ痛くなる、鼻炎やぜんそくをおこしやすいなど「肺」系の弱い人や、「肺」の機能が未熟な小児は、「肺」を強くする方法も、積極的な予防策となります。「肺」によい生薬には、ニンジンや黄ぎなどがあり、そのほか、「脾」(胃腸)の働きをよくしたり、体全体の抵抗力を高めたりするのに役立ちます。
また、水際作戦としては、植物ホソバタイセイの根「板藍根」の服用もおすすめです。板藍根は、中国では、その抗ウイルス・抗菌・解毒作用から、インフルエンザのほか、肝炎、帯状疱疹(ヘルペス)、へんとう腺炎、耳下腺炎などの治療に欠かせない生薬です。予防としても、お茶やあめ、お菓子状のものなどが、ごく日常的に利用されています。日本でも、お茶やあめの製品が、販売されています。
食べものの中では、秋の味覚といわれるものに「肺」を養うものが多くあります。クリ、イモ類、木の実、くるみ、ぎんなん、きのこ類、豆類などは「肺」を元気にし同時に免疫力を高めます。ナシ、ブドウ、カキなどの果物は「肺」を潤し、のどや肌を乾燥から守ってくれます。季節やバランスを考えた食事も、予防の一端を担うはずです。