梅雨や夏に多い不調…体内水分の停滞を解消  2009年7月1日付

 日本では、梅雨から夏にかけて、高温多湿の日が続き、よくうっとうしいといわれます。同じ気温でも、湿度が高いのと低いのでは、不快さはまったく異なります。梅雨時、だるい、眠い、やる気がでない、頭痛、腰痛などの不調がおきることは、誰しも経験があるかと思います。過剰な湿度は、漢方では「湿邪(しつじゃ)」といい、梅雨や夏の不調には関わりが大きいのです。

「湿邪」は、体内で水分を停滞させるので、顔や手足がむくむ、鼻水や痰(たん)・おりものが多くなる、湿疹(しっしん)や滲出液(しんしつえき)が多くなるなどの現象を引き起こします。体の重だるさ、頭の締め付けられるような痛み、関節や筋肉の鈍い痛みなども湿の特徴です。水虫やカンジダなどの好む環境もつくります。また「湿邪」は、消化器の働きを邪魔しやすい特徴があり、食欲がわかない、胃がもたれる、口が粘るなどがおきます。

夏の「湿」を除く代表的な生薬には「藿香(かっこう)」があります。シソ科の植物で、さわやかな芳香成分が湿を除き、胃腸や気分をすっきり目覚めさせて機能を回復させてくれるのです。同時に抗菌・解毒・抗アレルギー作用もあり、水あたりや夏風邪・じんましんにも活用します。ほかにも、青ジソ、ミント、ミョウガなど、さわやかな香りのものは、適度にとると、胃腸や体を整えるのに役立ちます。冷たいものは「湿」や「寒」を体に取り込むのでとり過ぎに注意しましょう。甘いもの、油が多い、味の濃い食事も、湿が体内に停滞しやすくなるので、ほどほどがいいようです。