女性の「血」について…不足しない心掛けを 2008年7月2日付

 漢方には、「女性は血(けつ)をもって本となす」という言葉があります。女性にとって「血」はとても重要で大きな役割を果たすということです。漢方で考える「血」は西洋医学での血液のようなものですが、体を温める、皮膚や髪に栄養やつやを与える、爪を丈夫にする、目に栄養を届けぱっちりさせる、気持ちを安定させよく眠れるようにするなど、その役割もさします。

 また、女性ホルモンの分泌や卵巣機能にも深く関与し、特に、生理、妊娠、出産、授乳にも重要な役割を果たすと考えられています。必要なものであるにも関わらず、毎月の生理や出産などによって、女性の「血」は男性に比べて常に不足しがちという実はちょっと危険な状態にあるのです。

 血を補う「補血」の生薬もいろいろありますが、代表的なものに当帰という生薬があります。セリ科の植物の根で、ビタミンAやEなどの他、葉酸、鉄分、強い香りの有効成分(精油)なども豊富に含みます。これらが、血をつくる力を刺激して、体の内外を潤すいきいきとした血をふやしてくれるのです。血虚(血不足)の時は、当帰を服用すると、短期間で体調や肌の変化がわかるものです。

 食べ物では、赤や黒い食べ物が補血に役立ちます。プルーン、ナツメ、クコの実、ブルーベリー、ニンジン、レバー、黒ゴマ、黒豆などです。食事はバランスや量も大切ですが、「血不足」を感じる方は、さらに意識してとり入れてみたらいかがでしょうか。