円形脱毛症

 円形脱毛症とは、頭にコインのように丸い脱毛部分ができる。

 丸く脱毛する単発型が基本だが、多発したり、頭部全体、全身の毛が抜けることもある。

 脱毛部は毛がなくなり、脱毛が進行中の部分の毛は簡単に抜けたり、切れ毛になっていることが多い。

頻度

 ・30歳以下で発症する割合が約8割。
 ・男女比では女性がやや多い。

分類

 ■単発型
  ・最も多い初期症状で、突然、脱毛部分ができる。
  ・大きさはさまざまだが、十円玉サイズが多い。
  ・前兆としてかゆみや大量のふけを生じる場合がある。
 ■多発型
  ・円形の脱毛斑が2か所以上になり、脱毛部分が結合して大きな脱毛面積になる。
  ・このころから、髪の毛に限らず全身のあちこちにできることがある。
 ■多発融合型
  ・びまん性…頭髪全体で平均的に多数の髪の毛が抜ける症状。
  ・蛇行性…蛇のように細長く脱毛する症状。後頭部や側頭部の毛の生え際にかけて不正型に脱毛する。小児に多い。
 ■全頭型
  ・多発型からすすんで、脱毛部分が重なり合い、髪の毛のみすべて抜け落ちる。
 ■汎発型
  ・ひげ・すね毛・陰毛などあらゆる体毛が抜けおちる症状。
  ・悪性円形脱毛症や全身脱毛症とも呼ばれる。

発症機序

 ・成長期の毛包が、リンパ球の攻撃を受けてこわされてしまう。
 ・毛包を標的とした自己免疫疾患と考えられている。

原因

 ・以前は精神的ストレスが原因といわれていたが、現在は、ストレスは誘因のひとつで、
 ・主な原因は体内のアレルギーが合併するなどして、自己免疫異常がおきてしまうと考えられている。

治療

 ■外用療法
  ・副腎皮質ホルモン外用剤、ミノキシジル、塩化カルプロ二ウムなど
 ■局所療法 
  ・ステロイドの局所注射、局所免疫療法、雪状炭酸圧抵療法、紫外線療法
 ■内服療法
  ・グリチルリチン、セファランチン、抗アレルギー剤、副腎皮質ホルモン

漢方でのみたて

 ・血熱(けつねつ)
 ・熱毒(ねつどく)
 ・湿熱(しつねつ)
 ・血瘀(けつお)
 ・肝鬱気滞(かんうつきたい)
 ・肝腎不足(かんじんぶそく)
 ・気虚(ききょ)
 ・血虚(けっきょ)
 などにわけられます。

 清営顆粒、瀉火利湿顆粒、黄連解毒湯、冠元顆粒、加味逍遥散、冬帰飲子、その他、清熱解毒作用のある健康食品などがよく使われます。

養生

 ・高カロリー・高脂肪食、アルコール、たばこ、コーヒー、香辛料の多いものは控える。
 ・甘いもの(お菓子、チョコ、ケーキなど)を控える。
 ・乳製品(牛乳・ヨーグルト・チーズなど)を控える。
 ・野菜やきのこ・海藻をたくさんとるようにする。