漢方で考えるオトナのニキビは?

 大人になってからできるにきびは、もともとの体質やホルモンバランスの崩れの他、食生活やストレスなどを含めた生活環境が複雑にからんでいます。この中でも特に体の中に「熱」がこもってしまうのが大きな原因と考えます。もともと暑がりであったり、生理前で陽気が過剰で体温が高い、油っぽいものや辛いものを食べ過ぎる、ストレスで体内の気がうまく巡らず熱が鬱滞する、これら熱過剰の状態で、ニキビは悪化しやすくなると考え、治療には、熱を冷ます「清熱薬」を中心に利用します。

 また、さらに色や部位・大きさなどで、タイプに分け、それぞれに適した治療をすることにより、ニキビを治すほか、原因となる体質の改善も可能なのです。

 色でタイプを大まかにわけるので参考に!

■毛穴に一致した白いブツブツ⇒肺熱タイプ
 額や小鼻などTゾーンにでやすい・悪化しないがなかなかよくならない・ひとつひとつが小さく数は多め・喉が弱かったり風邪をひきやすい。

■膿庖も混じる赤いブツブツ⇒肺胃熱タイプ
 口のまわりや小鼻、ほおにでやすい・赤い小さめのにきびがでやすい・ 生理前後にひどくなりやすい・食欲があり肉や甘いもの、辛いものが好き・ストレスが多くイライラしやすい・目が疲れやすく充血しやすい。

■化膿がひどく膿庖中心の黄色いニキビ⇒熱毒タイプ
 フェイスラインやほお、髪の生え際にできやすい・ニキビが腫れて熱をもち膨らんでいる・肌質はオイリーで毛穴がひらいている・暑がりである・油っぽいものをよく食べる・怒りっぽく顔がほてりやすい。

■ゴリゴリ硬い暗い紫色のニキビ⇒瘀血タイプ
 さわると芯があるように硬く、ごりごりした感じがある・ほおやあごにでやすい・肌全体がくすんだ感じだったり歯茎や唇の色が黒っぽい・子宮内膜症や子宮筋腫、卵巣嚢腫などがある・生理痛がひどく塊がある。

体質改善のためのお薬や養生法は…

①肺熱タイプ

 肺熱を除く薬や炎症を抑える薬を使います⇒涼解楽、清上防風湯など

 □肺の熱をのぞく白い野菜や瓜類(だいこん・白菜・きゅうり・すいか)などは○
 □お茶はミントティー・ハトムギ茶・どくだみ茶などが○
 □熱をもつ辛い食べ物・甘いもの・こってりしたものは×

②肺胃熱タイプ

 肺や胃の熱を除き炎症を抑える薬を使います⇒涼血清営顆粒など

 □熱を除くだいこん・瓜類・トマト・なす・ゴーヤ・海藻・バナナ・果物などは○
 □唐辛子など辛いもの・味の濃いもの・甘いもの・油っぽいもの・動物性脂肪は×
 □夜更かし・夜遅くの食事・食べすぎ・野菜不足・便秘は×

③熱毒タイプ

 熱と熱より強い毒(重度の炎症、感染症)を除く薬を使います⇒黄連解毒湯・涼血清営顆粒など

 □熱を除くスイカ・きゅうり・レタス・ゴーヤ・だいこん・梨・トマト・柿・生野菜は○
 □お茶は、緑茶・どくだみ茶・はぶ茶・烏龍茶・プアール茶などが○
 □こってりしたもの・油っぽいもの・甘いもの・揚げ物・肉類・辛いもの・食べすぎ・ストレスは×

④瘀血タイプ

 熱と不要な水(痰湿)や血行不良の瘀血を除く薬を使います⇒冠元顆粒など

 内膜症や筋腫・嚢腫などもあり瘀血が慢性化してる場合、爽月宝・水快宝なども利用します。

 □血をめぐらすローズティー・やセロリ・玉ねぎ・にらなどの香り野菜は○
 □適度な運動やウォーキング、湯舟にゆっくりつかる入浴は〇
 □血液を粘らせ熱が増える動物性脂肪や肉・油っぽいもの・甘いもののとりすぎは×
 □瘀血の原因になる冷え・冷たい食べ物・ストレス・運動不足は×