PMSは女の宿命?

 生理周期にともなっておきる生理前約2週間の体調不良をPMS(生理前症候群)とよんでいます。症状の主なものに、下腹部痛・肩こり・頭痛・イライラ・憂鬱感・胸のはり・便秘・むくみ・食欲亢進・眠気・にきびなどがあります。

 排卵後は、それまで卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌が盛んだったのに対し、黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌が盛んになります。プロゲステロンは、体温上昇・水分貯留の作用などもあり、このホルモンの変化が、PMSに関係していると考えられています。

 中医学でも、このホルモンの変化を、陰と陽の変化(転化)ととらえています。低温期の卵胞ホルモンの分泌が盛んな時期は、『陰』が盛ん、高温期の黄体ホルモンの分泌が盛んな時期は、『陽』が盛んと考えます。高温期のPMSは『陽』の性質を強くもつため、頭部や胸など体の上部に症状が出やすい・熱症状や炎症・興奮や亢進が起きやすいのが特徴です。また、『陽気』の流れには、五臓でいうと『肝』が関係が深く、肝の乱れが関わってきます。

 『陽』の過剰(相対的に『陰』の不足)と『肝』の異常が、PMSのベースにあり、あとは、その人の本来の体質が関係して、さまざまな症状が起きると考えます。おおまかにタイプをわけるので参考に!

■憂うつ・落ち込み強い⇒肝鬱気滞
 ストレスを感じやすくなり憂うつになる・いつもより落ち込みやすい・やる気がなくなる・生理がくるとすっきりする。

■イライラ・胸が張る・のぼせ⇒肝陽上亢
 憂うつ感よりイライラ感が強く怒りっぽくなる・感情のコントロールができない・お腹や胸が張って痛い・食欲が亢進してしまう・赤いふきでものができやすい・顔が熱くなったりのぼせる感じがする・生理がくるとすっきりする。 ※胸のハリや痛みが強く、妊娠・出産していないのに乳汁がでることも→血中プロラクチン値が高い高プロラクチン血症の可能性も

■胃やお腹の調子が悪くなる・食欲の異常⇒肝脾不和
 もともと胃腸が弱い・ストレスで胃が痛ったりお腹こわしやすい・お腹がはる・げっぷやおならがでる・すっぱいものがこみあげる。

■頭痛・肩こり・腹痛ひどい⇒瘀血
 生理直前に、腹痛や頭痛・肩こりなどがひどい・生理痛もある・生理時塊多い・顔色くすんだりしみができやすい。 ※生理前から生理中にかけてお腹の痛みが強い→子宮内膜症の可能性も

体質改善のためのお薬や養生法は…

①肝鬱気滞タイプ

 滞りがちな気の流れをスムーズにして、リラックスを助ける薬を使います⇒星火逍遥丸、シベリア人参茶など

 普段、血(陰)が不足している人ほど陰陽のバランスが崩れやすいので、充分よい血を補っておきます⇒婦宝当帰膠など

 □リラックスできる深呼吸やストレッチ、趣味や好きなこと・ゆっくり入浴などは○
 □クレソン・セロリ・しそなど香りの野菜、グレープフルーツなど柑橘系は○
 □不規則な生活や食事・睡眠は、よけい気のめぐりを悪くするので×

②肝陽上亢タイプ

 肝鬱気滞よりややすすんで熱症状もある状態なので、昂ぶりを抑えたり、陰を補いながら、気をめぐらす薬を使います⇒加味逍遥散、杞菊地黄丸など

 充分な血を補っておくことも大切です⇒婦宝当帰膠など

 □リラックスできる深呼吸やストレッチ、趣味や好きなこと・ティータイムなどは○
 □体を潤すやまいも・豆乳・ごま・白きくらげ・れんこん・貝類・海藻・果物などは○
 □潤いを消耗する唐辛子など辛いもの・香りの強いもの・味の濃いものは×
 □夜更かし・忙しすぎ・神経の使いすぎや興奮は×

③肝脾不和タイプ

 気をめぐらしながら、胃腸を調子を整える薬を使います⇒開気丸など

 □胃にやさしいごはん・いもなどの穀類や火を通した野菜・豆類・きのこ類は○
 □食事やお茶に、香りのよいしそ・パセリ・しょうが・みょうが・シナモンなどは○
 □胃腸に負担をかける冷たいもの・食べすぎ・飲みすぎ・不規則・食事抜きは×

④瘀血タイプ

 血と気の流れを良くし、痛みやこりを緩和する薬を使います⇒冠元顆粒など、内膜症がある・腹痛が強い人は、爽月宝なども利用します。

 □血をめぐらすローズティー・シナモンやセロリ・玉ねぎなどの香り野菜は○
 □下半身が冷える人はウォーキング・湯舟にゆっくりつかる入浴が〇
 □血液を粘らせる動物性脂肪や肉・油っぽいもの・甘いもののとりすぎは×
 □瘀血の原因になる冷え・冷たい食べ物・ストレス・過労は×