意外と多い高プロラクチン血症

 プロラクチンは、乳汁分泌を促すホルモンで、妊娠中から徐々に増加してきます。ところが、妊娠していない人が高くなってしまうと、卵胞ホルモンや黄体ホルモンの分泌を抑制するので、無月経・無排卵・黄体機能不全などの原因になることがあります。他に、乳汁がもれる、多毛などの症状がおきることもあります。

 PRLは、1.4-14.6ng/mlが正常範囲、15ng/ml以上が高値とされていますが、夜間や、精神的ストレス、一部の薬剤(抗うつ薬・制吐剤の一部など)で上昇することもあります。昼間は正常でも、夕方から夜間にかけて上昇するのを潜在性高PRL血症といい、TRHテストが有効です。生理の異常のほか、基礎体温が一相性(無排卵の場合)になったり、変動が大きくギザギザが大きくなるのが特徴です。

 おおまかにタイプをわけるので参考に!

■生理遅れる・気持ち不安定・冷え性⇒腎虚肝鬱
 生理は遅れがち、あるいはなかなかこない、イライラしたり落ち込みやすい、生理前胸がはる、どちらかというと冷え性、腰痛が起きやすい、基礎体温は一相性かギザギザしている。

■生理不順・イライラ・胸が張り乳汁でることも・のぼせ⇒腎虚肝火旺
 生理はなかなかこなく量も少ない、イライラ感が強い、胸が張って痛かったり黄色い乳汁がでることがある、顔が熱くなったりのぼせる感じがする、基礎体温はギザギザが激しい。

体質改善のためのお薬や養生法は…

①腎虚肝鬱タイプ

 気分をリラックスさせ体温を安定させる薬を使います⇒星火逍遥丸など

 PRL値や乳汁の分泌をコントロールするお薬を使います⇒炒麦芽など

 冷えや貧血を改善し本来のホルモンの働きを助けます⇒参茸補血丸など

 □リラックスできる深呼吸やストレッチ、趣味や好きなこと・ゆっくり入浴などは○
 □クレソン・セロリ・しそなど香りの野菜、グレープフルーツなど柑橘系は○
 □よふかし・睡眠不足・気の使いすぎ・ストレスなどは×

②腎虚肝火旺タイプ

 水分不足・熱症状もある状態なので、昂ぶりを抑えたり、陰を補いながら、気をめぐらす薬を使います⇒加味逍遥散など

 陰を補いながらPRLのコントロールをするお薬を使います⇒芍薬甘草湯など

 過剰な熱をとりながら陰の不足を補いホルモンバランスをとるお薬を使います⇒瀉火補腎丸など

 □リラックスできる深呼吸やストレッチ、趣味や好きなこと・ティータイムなどは○
 □体を潤すやまいも・豆乳・ごま・白きくらげ・れんこん・貝類・海藻・果物などは○
 □潤いを消耗する唐辛子など辛いもの・香りの強いもの・味の濃いものは×
 □夜更かし・忙しすぎ・神経の使いすぎや興奮は×