漢方で考える子宮内膜症は?

 子宮内膜症は、子宮内膜と似てはいますが少し異なる子宮内膜類似組織が、子宮の内膜以外の場所に発生し、そこで子宮内膜と同様に機能をしてしまう病気です。この類似の子宮内膜も、本来の子宮内膜と同様に、エストロゲンやプロゲステロンに反応して増殖・粘液分泌をし、ホルモン低下とともにはがれて出血します(生理)。

 ところが、その出血は、月経血のように膣からでていけないため、発生した場所で病変をつくり炎症を起こします。炎症の際に発生するプロスタグランジンやサイトカインが妊娠を邪魔するという説もあります。また炎症が続くと、癒着や周囲の臓器の機能低下(特に卵管や卵巣など)を招き、不妊をひきおこす可能性が高くなります。

■発症の原因としては、おもに次のような学説が考えられえています!
 □月経血の逆流・・逆流した内膜組織がダグラス腔・卵巣・骨盤腔の深いところなどに生着
 □リンパ静脈による拡散・・肺や胸膜、鼻粘膜など離れた場所にも発症することがあるため
 □体腔上皮が化生・・正常の子宮内膜組織でない体腔上皮から化生、初経前の小児やエストロゲン大量投与の男性にも出現することがあるため

 症状は、生理痛、生理時以外の下腹部痛・腹痛、肛門深部痛、性交痛、生理過多、不正出血、貧血、吐き気などです。中医学では、次のように考え対処します。

■内膜症に共通なのは!
 □正常な場所から離れた内膜様の瘀血⇒離経瘀血・内膜膏脂

 瘀血(血行不良や脈内からもれでた血)だけでなく痰湿(代謝できない水分の滞り)・膏脂(代謝できない油分の滞り)が混在していると考えます。

■なりやすい体質の人は?
 □お腹や腰が冷える・寒がり・生理痛歴が長い⇒腎陽虚・寒凝
 お腹や腰の痛みが強く冷えると悪化、かなり冷え性で寒がり、冷たいものをよく食べていたり薄着やクーラーで冷えている、腰が痛くなりいやすい、生理はけっこう遅れることがあったり周期が長め

 □生理不順・イライラしやすい・ストレス多い⇒肝鬱気滞
 ストレスや悩みや多忙でイライラくよくよしがち、生活不規則、生理は早くきたりおくれたりする

 □冷え性・疲れやすい・むくみやすい・胃腸が弱い⇒気虚
 胃腸が弱いため水分代謝が悪くむくみやすい、疲れやすくだるい、気力続かない、生理中も月経血の排泄が悪く後半だらだら出血する、不正出血しやすい。

 これらの体質が絡み合いさらに生活習慣・食習慣が複合して、離経瘀血や内膜膏脂の病理産物をつくってしまうと考えます。

体質改善のためのお薬や養生法は…

①腎陽虚・寒凝タイプ

 痛みを緩和し、瘀血・膏脂をのぞくものを使います⇒水快宝・CPLなど

 痛み・冷えを緩和し、瘀血・痰湿をのぞくものを使います⇒爽月宝・田七など

 冷えや体を温める働きをとりもどすお薬を使います⇒参茸補血丸など

 □お腹や足を冷やさない・湯舟につかる入浴・生理中腰お腹を温めるなどは○
 □火を通した野菜・根菜・マトン・鶏肉・しょうが・シナモン・ねぎ・黒い食品などは○
 □冷たいものをたくさん食べる・薄着(特に生理中)・クーラー使いすぎなどは×

②肝鬱気滞タイプ

 痛みを緩和し、瘀血・膏脂をのぞくものを使います⇒水快宝・CPLなど

 気のめぐりをよくし、同時に血の流れも改善させます⇒星火逍遥丸、加味逍遥散など

 □リラックス・気分転換やストレッチ、趣味やスポーツ・ハーブティーなどは○
 □香りのよい柑橘系のフルーツ・すっぱいもの・ミントテーィーなどは○
 □神経を興奮させる唐辛子など辛いもの・味の濃いもののとりすぎは×
 □夜更かし・考えすぎ・神経の使いすぎや予定をいれすぎるのは×

③気虚タイプ

 痛みを緩和し、瘀血・膏脂をのぞくものを使います⇒水快宝・CPLなど

 痛み・冷えを緩和し、瘀血・痰湿をのぞくお薬を使います⇒爽月宝・田七など

 冷えや貧血を改善し本来のホルモンの働きを助けます⇒参茸補血丸・など

 □体力以上に無理しないよう工夫する、消化のよい朝ごはんを食べるなどは○
 □穀物・豆類・根菜などの野菜、きのこ、プアール茶、紅茶などは○
 □よふかし・睡眠不足・冷たいものや消化の悪いものの食べすぎなどは×

 どのタイプも、生活のリズムがばらばらだったり、偏った食事はよくありません。インスタント食品や加工食品・動物性脂肪・トランス型脂肪(マーガリンなど)などは、瘀血や膏脂を増やすので、とりすぎに注意が必要です。