胃酸は強力な酸性の消化液で、胃に入った食べ物を消化するのに必要なもの。でも、なんらかの原因で、食道のほうに上がってしまうと、逆流性食道炎という炎症をひきおこし、胸やけをはじめとした不快な症状を感じることがあります。
原因として、加齢で食道と胃の境目の筋肉がゆるくなる、ストレス、睡眠不足、肉や油っぽい食べ物・コーヒーやアルコールなどのとりすぎなどがあげられます。
症状は、胃がムカムカする胸やけ、みぞおちが痛む、横になったときなどに胃酸が逆流する、のどの違和感、声のかすれなど。
中医学で考えると、よく起こりがちなのが、ストレスの「肝」が、胃腸をさす「蘇脾」を攻撃してしまう「肝脾不和」という状態です。本来下に下がるべき食べものや消化液も、うまく下がらず上に上がりやすくなります。肝と脾のバランスを調整する疏肝理気の漢方で、つらい症状を軽減することが可能です。開気丸などの処方がよく活用されます。
また、梅雨から夏にかけての湿度も胃腸には負担をかけます。余分な水分が胃腸にも溜まり、胃が重い、胃もたれ、吐き気、ムカムカ、雨の日や低気圧で調子が悪くなるなどの症状がおこります。温胆湯、健胃顆粒などは、水分をさばきながら、胃腸の働きを調整するので、梅雨から夏にかけての不調に最適です。
胃腸は、季節、食べ物、ストレスや生活習慣の影響をうけやすい臓器です。冷たいもの・甘いもの・刺激物・脂肪の多いもの・アルコールなどは控えめに。食事時間の不規則、遅い時間の食事も気をつけましょう。
ミント・シソ・しょうが・柑橘類などは、胃の調整に、豆類・コーン・春雨・もやしなどは胃腸の湿を追い出すのに効果的。ストレスも、ため込まないようにし心がけたいものです。