中医学の基本的な考え方にはどんなものがあるの?

 最も基本的な考え方には、「全体観」「陰陽」「五行」などがあります。

 「全体観」というのは、人の体はそれぞれの臓器が複雑に組みあわさって有機的に機能するという考えで、中医学では、特定の内臓のみの治療でなく体全体の回復を目的にします。

 また体内の相対する現象はすべて、「陰陽」にわけて考えます。例えば、熱や機能亢進は陽、冷却や貯蔵は陰と考えます。陰と陽は、それぞれ大切ですが、互いに変化したり、量を変えたりして、バランスをとっています。女性の生理周期も、低温期は陰が増加する時期、高温期は陽が増加する時期ととらえています。

 「五行」は、すべて物事を5種(木・火・土・金・水)の性質に帰属させる考え方です。人の内臓や器官・感情のほか、季節・色なども5つに分けて分類します。臓器とその機能を五行に基づいて分けたのが五臓で、どの臓腑に陰陽や気血の失調があるかを分析するのは、治療法・お薬を選ぶのにとても重要です。