人口授精(AIH)・体外受精のなどとの併用

 精子の数や運動率など精子に問題がある場合や、頚管粘液不全、(子宮頸部の)抗精子陽性などの場合、精子を子宮内に確実に届けるためにAIHを試みます。内服薬にクロミッドなどの排卵誘発を使用し、HCGの注射で排卵のタイミングをあわせ、AIHという方法をとることが多いようです。

人口授精(AIH)

 漢方では、よい卵胞が育ち内膜が厚くなることを目的に、「補血・補腎陰」のお薬を、生理周期にあわせて活用します。また、男性側の精子に問題がある場合、精子の数や運動率をあげるために、「補気」「補腎」という考えから、「補気薬」「補腎薬」などを体質に合わせて活用することもあります。

体外受精

 精子の数が極端に少ない、女性の卵管が完全に詰まっている、広範囲に子宮内膜症がある、それまでの治療で治療効果得られなかったときなどに、体外受精・胚移植・顕微授精などを試みます。HMG-HCG、Gn‐RHアナログなどで、卵巣刺激・排卵コントロールなども行っていきます。

 漢方では、周期調節法の考え方を応用して、時期にあわせて、卵胞の育つのを助ける薬や、黄体安定を助ける薬をよく活用します。低温期の卵胞を育てる補助としては、AIHの場合と同様に、「補血薬」「補腎陰薬」を、活用します。高温期の着床を補助する薬としては、「補陽薬」を中心に活用します。利用する漢方薬の種類や量は、体質や年齢、ホルモン剤を長期使っていたか、基礎体温などで、変わってくるので、慎重に選ぶ必要があります。

カウフマン療法

 カウフマン療法は、不妊治療の際には、体外受精の採卵の前周期に行うことによって卵巣を休ませ、次周期採卵する卵子の状態を良くすることをを目的として行うことが多いようです。カウフマン療法は、低温期に卵胞ホルモン(プレマリン・ペラニン・エストルモンなど)を、高温期には、卵胞ホルモン+黄体ホルモン(+ルトラール、ヒスロン、デュファストンなど)を補充し、正常の生理周期のホルモン状態を再現する方法です。この期間、ホルモン量は(外から与えられたものですが)正常に保たれているため、視床下部・脳下垂体・卵巣は働く必要がなく、休憩・リセットすることができます。したがって、次の周期には、卵巣の機能回復が期待できます。特に、体外受精などで、卵子を数多く採卵する際には、卵巣に負担がかかるため、卵巣の活力を取り戻しておく必要があります。

 漢方では、(基礎体温は二相に分かれますが)排卵のない周期ですから、子宮の中の過剰な熱や瘀血、痰湿をのぞく「活血薬」や、よい血を増やし、内膜をよい状態にする「補血薬」や、体質に合った「補腎薬」などを活用して、調整します。