夏の疲れたカラダには、水+ミネラル+中医学の知恵

■「Tarzan」 2006/7/13号
 アクティブに動く暑い季節、水は補給だけでなく、体内での代謝が重要、夏を乗り切る切り札として、『麦味参顆粒』が紹介されました。

水分補給だけでなく、水は体内での代謝も重要。夏こそご用心。

「Tarzan」 2006/7/13号 この時期のスポーツで最も警戒すべきは熱中症。その始まりには、はっきりとした自覚症状が乏しい。早め・こまめな水分補給と休養で、カラダにこもる熱を冷まそう。しかし、きちんと飲み、休んでいるのに、カラダがリフレッシュされた気がしない、あるいは渇きがとれた様に感じない、などといった経験のある人は多いだろう。発汗で失った水分と電解質、そして運動で消耗した糖質を補えば回復するはずだと、普通ならば考えるところだ。だが、実際にはそれだけで回復できるとは限らない。疲労時には体内での水分代謝が滞らないようにすることも重要なのだ。では、どうしたら水分代謝を改善できるか。多くの場合、西洋医学はここで壁に突き当たる。そこで、知っておきたいのが中医学(中国の伝統医学)の英知だ。

 「中医学では飲んだ水がそのまま体内で使われるとは考えられません。消化器官(脾と呼ぶ)から吸収された後、気の力を借りて利用可能な液体(津液と呼ぶ)に姿を変えた上で、肺から全身に分配・散布されると考えます」と語るのは、日本中医学研究会中医学講師だ。「気」とは、全身を巡るエネルギーのようなもので、体内の物質・エネルギーの移動や代謝の原動力となる。「肺」は、我々が考える臓器とも微妙に異なり、呼吸だけでなく皮膚や免疫、水分代謝にも関与する。「だから、飲んだ水を円滑に使うためには、気と肺がフルに稼動してくれないと困るということになります」

 スポーツは本来、気の流れをよくすることによって、各々の臓器の間のバランスを整えてくれる。ところが、炎天下などの悪条件下では、気の消耗にもつながる。気は肺に集まり、肺こそが気を司る臓器だと中医学は考えるので、気の消耗が進めばいずれ肺にも影響は及ぶ。「気と肺の変調・機能低下、有益な水分の不足(気陰両虚という)は、スポーツに取り組む人ほど気をつけたい、この時期の典型的なカラダのトラブルなんです」「同じ強度・時間の運動をしても、他人と比べて明らかに発汗量が多かったり、終始ドリンクが欲しくなる人も、同じく気陰両虚の疑いが強いですね。ランならば最初の5kmはそれほど飲まなくても走れるはず。それが大量に飲まずにいられなくなってきたら、かなり怪しいです」

 この段階でカラダを休めないと、次の段階に移行してしまう。次の段階では、多くの人が運動の際に息苦しさや筋肉痛を訴える。これがモチベーションを著しく低下させてしまうが、その背後に潜む犯人の1人は、血管内皮細胞に由来するペプチド、エンドセリンである。「気陰両虚を抱えた人は、健康人に比べて、エンドセリンの血中濃度が高い。エンドセリンは血管・気官を強力に収縮させる性質をもつので、運動中の呼吸効率は悪化し、無酸素運動の割合がおのずと増えます」その結果、疲労物質が大量に産生され、息苦しさと同時に筋肉痛がやってくるのだ。そして、これを放置すると疲労物質が血行を妨げるようになる。中医学でいう「瘀血」、今風に言うならドロドロ血の状態に陥ってしまい、放置すると、ついには危険な段階に突入していく。

 「気陰両虚が最終局面を迎えると、影響は赤血球にまで表れます。驚いたことに、赤血球の膜が固くなるんです。ご存知のように毛細血管の径は赤血球よりも小さいですから、膜の固くなった赤血球は通れません。このため末梢血管では酸素不足が発生し、これが脳・神経系に及べば、神経活動までも阻害し始めるんです」

長期服用しても安全な漢方薬で代謝改善を…

 たかが水分の補給・代謝ではないのだ。これを軽視すると、場合によっては生活習慣病さえ招き寄せる。 「ウエイトトレーニングに取り組んでいる人は肉偏重の食生活に陥らないように注意してください。気陰両虚だと往々にして消化吸収力も低下していますから、胃腸への負担の軽い食品を選び、食事は少量多回で」

 当たり前だが、よく噛み、冷たいものの飲食は最小限と心がける。とはいえ、制約が増えるばかりでは窮屈だ。予防のニーズに対し、中医学は「生脈散」という処方を持っている。生脈散とは、朝鮮人参、麦門冬、五味子の3つの植物生薬からなるシンプルな処方。日本でも強壮剤として名高い朝鮮人参が気を補ってくれるのは説明無用だとして、耳慣れない2つの生薬は何者か?「麦門冬は、ユリ科の野草の塊根です・これが余分な熱を冷ましつつ、体内の潤いを補ってくれます。五味子はモクレン科の樹木の実で、その酸味がカラダを引き締めます。毛穴をはじめ、全身が引き締まるので過剰な発汗を抑制し、気の異常発散も防いでくれます」

 クスリではあるが口当たりがよく、副作用・依存性に関しても、 「中国における過去1000余年の臨床経験からは報告がありません。運動前後に水や好みのスポーツドリンクに溶かして飲んでも結構です」本場中国では、夏の風物詩となっており、ドリンクや顆粒状の商品が薬局の店頭にずらりと並ぶという。そして、その確かな効き目と安全性から、日本のスポーツシーンにも今後浸透が予想される。この夏はぜひお試しを!