「サエラ」 2011年2月13日付…食養生 de 漢方 Life vol.4

■食から始める漢方生活◇立春の候

【食養生 de 漢方 Life vol.4】
 ようやく寒さも緩んできたと思いきや、暖かい陽気とともに、花粉症が気になるという方も多いのではないでしょうか。

「サエラ」 2011年2月13日付 ようやく寒さも緩んできたと思いきや、暖かい陽気とともに、花粉症が気になるという方も多いのではないでしょうか。今年は、猛暑の影響で、スギ花粉が例年より数倍多く飛ぶといわれています。でも、花粉症になる人とならない人がいるのはなぜでしょうか。

 漢方では、花粉やほこり・温度差・ウイルス・細菌など、外的刺激から体を守る、ちょうどバリアのような働きを「衛気(えき)」と考えます。衛気が、充分機能しないと、花粉などの刺激で、目のかゆみ・充血がおきたり、鼻水などが過剰に出やすくなります。

 この「衛気」を補う生薬としては、よく「オウギ」が活用されます。「補気」作用の中でも、オウギは特に、皮膚表面や粘膜の元気づけ、すなわち衛気の強化に適しているのです。 

 また、症状には、目のかゆみ・充血や鼻づまりなど、「熱」に偏った症状がでる場合と、くしゃみ・さらさらした鼻水など、「寒」に偏った症状が出る場合がありますので、いずれも、衛気を補うオウギをベースに、「熱」や「寒」に対処する処方を加えると効果的です。

 日頃の生活習慣では、睡眠不足・ストレス・疲労の蓄積・食生活の乱れなどが、「衛気」を低下させます。

 食べ物は、冷たいものや甘いもの・動物性のものとりすぎに注意して、季節の野菜、きのこ類、大豆類、ヤマイモなどを、積極的にとるとよいでしょう。また、くこの実、なつめなどは漢方処方にもよく使われるおすすめ食品です。ドライフルーツの感覚で取り入れてみてはいかがでしょう。

 それから、「熱」症状が強い人は、自然に熱を冷ます生野菜や春の野菜、海草、果物、ミントティー、菊花茶などを、「寒」症状が強い人は、体を温める鮭、羊肉、根菜類、ねぎ、しょうが、シナモンティーなどがおすすめ食材です。