「サエラ」 2010年11月14日付…食養生 de 漢方 Life vol.3

■食から始める漢方生活◇小雪の候

【食養生 de 漢方 Life vol.3】
 気温の低下や、空気の乾燥とともに、風邪やインフルエンザが心配になる時期です。漢方にも、風邪対策のお薬がいろいろあります。

「サエラ」 2010年11月14日付 風邪のひき始め、寒気が強くゾクゾクするときは、体を温めて汗といっしょに風邪を追い出す葛根湯などの処方がよく活用されます。このような時は、体が温まるおかゆ、葛湯、紅茶、しょうがやねぎを加えたスープやポタージュなどがおすすめです。

 逆に、喉が痛く熱っぽいときや、インフルエンザのときは、炎症を鎮め解熱する涼解楽といった処方や板藍根(ばんらんこん)いう生薬が活用されます。涼解楽は、金銀花や薄荷、桔梗など、炎症を除き発散させる生薬で構成されています。このような時は、食べ物も、熱を除く生の大根(大根おろしなど)、れんこん、果物、ミントなどがおすすめです。

 生薬「板藍根」とは、アブラナ科菘藍(しょうらん)の根のことで、中国では、「漢方の抗生物質」とよばれ、ウイルスや感染性の病気に活用されてきました。抗菌・抗ウイルス作用、解熱・解毒作用が期待でき、特に、インフルエンザやウイルス性の風邪予防によく使われます。胃腸にも優しく、小児から年配の方までのみやすい味です。エキスを顆粒状にしたものがあり内服やうがいに、エキス入りののど飴は携帯に便利です。