起立性調節障害(OD)
ODは、10代前半・思春期の子供に多くみられ、主な症状に、起床時のめまい・たちくらみ・倦怠感・動悸・吐き気・腹痛などがあります。成人になっても、継続することがあります。特に低血圧の人では、長引いてしまうこともあるようです。
起床時には、心臓に戻る血液が減少して血圧が下がるため、自律神経の働きで血圧を上げる必要があるのですが、思春期のお子さんなどでは、自律神経がうまく機能しななかったり、ホルモンバランスの変化などで、血圧が調節できず、脳の血流が低下し、さまざまな症状がおきることがあります。午後になると交感神経が働きだすため症状が軽減し、夜は元気になることも多いです。
中医学で考えると、「気虚」(疲れやすい、めまいや立ち眩みを起こしやすい、だるい、動くのがおっくう、動くと疲れる、食欲がない)「痰湿」(ふわふわしためまい、気持ち悪さ・吐き気・雨天で調子が悪い)
「血虚」(たちくらみを起こしやずい、貧血傾向、疲れやすい、眠りが浅い)の体質と、症状が似ています。食事や生活リズムの見直しや運動のほか、体質や体調ににあわせた漢方を活用すると、早く体調を戻す手助けになりますよ。
温度差に体がついていかない。寒暖差疲労?
気温や湿度、気圧などが変化したときには、自律神経が働いて体がスムーズに対応できるよう、微調整をしてくれますが、変化が大きすぎたり、体に余力がないと、調節が追いつきません。また、春は、緊張することも多い時期で、こうした環境も自律神経の負担となっています。漢方では、下記のタイプの人が、寒暖差で、体調不良を感じやすいかもしれません。
「気血不足の人」(冷え症、低血圧、貧血傾向、疲れやすい人、睡眠不足、食事不規則の人)は、急な血管の収縮や拡張で、脳の血流不足や、汗腺の開閉のエネルギー消耗で、だるさや疲れ、めまい、たちくらみなどがおきやすくなります。
「肝の弱い人」(気疲れする、目が疲れやすい人、PMSひどい人、筋肉がつりやすい人)は、ふだんから筋肉や血管が緊張で収縮しやすく、温度差などでさらにその傾向が強くなり、肩こりや頭痛、体の痛みなどがでることがあります。
血行不良の「瘀血傾向の人」(頭痛・肩こり・生理痛などが起きやすい人)は、血がドロドロで血流が悪いため、さらに、血管の収縮や弛緩の繰り返しで血行が悪くなり、頭痛や肩こり・冷え・むくみなどを起こしやすくなります。
もちろん複合したタイプもありますし、生活習慣も影響してきます。体質をフォローする漢方を活用して整えると、症状は軽減されますよ。
イライラや気分のうき沈みが激しくて生理前、無性にイライラしたりする
イライラは、性格のせいばかりでなく、女性ホルモンの変化、中医学だと、気や血、陰陽のバランスが崩れてしまっているからと考えます。特に女性の生理前の高温期(黄体ホルモンが多い)は、体温も高く、陽気が盛んです。
でも女性は頃血が不足していることが多く、気と血のバランスがうまくとれず、気が余り、
イライラ、体やわき腹の張った痛み、のぼせなどが起きやすくなるのです。
また、生理の後は、気や血を失うので、血の不足から、落ち込みやすくなったり、不安感・不眠が起きやすくなることがあります。
気をうまくめぐらせたり、血を補う漢方で、気持ちや体調をコントロールすることができますよ。