たるみ

 加齢とともに、顔・首・身体のたるみが気になってきます。場所によって異なりますが、皮膚のコラーゲン・エラスチンなどの機能低下、皮下の筋力低下などが原因になっているといわれています。乾燥・たるみが進むと、小じわ・深いしわへと、次のステップにつながってしまいます。

気虚タイプ 30代前後に多い

 漢方の「気」は、筋肉や内臓を正常な位置に保ち、代謝を正常にするものと考えます。気の不足している人は、肌はどちらかというと白めで、筋力が全体的に弱く疲れるとたるむ、胃腸が弱く食べ過ぎるとむくんだり調子が悪い、内臓や身体の筋肉も下垂しやすい、下半身がむくんだり太ったりする傾向もあります。ふだんから、「気」を補う、鶏肉・えび・豆類・色の濃い野菜・なつめ・人参などを。

 胃腸が弱い人が多く、無理してたくさん食べるのは胃腸に負担がかかり逆効果。食べ過ぎや冷たいもの・辛いもの・脂っぽいものは控えてください。筋肉がつきにくいですから、適度に運動をして、筋力をつけたり、基礎代謝をあげるような習慣も大切。

 漢方では、胃腸を強くし、気をアップする「補気薬」を活用します。補中益気丸、十全大補湯など。

腎虚タイプ 40-50代に多い

 漢方では、加齢とともに「腎」を消耗すると考えるので、年齢による肌の衰えは「腎虚」と深い関係があります。しわに近い感じのたるみ、くすんだ感じやしみも目立つ、首にもしわやたるみがある、目じりや口角が下がってきた、ホルモンバランスが崩れてきたなどの傾向があります。

 「腎」を補う、えび・なまこ・くるみ・黒ゴマ・黒豆・黒砂糖・黒きくらげ・昆布など黒い食品やコラーゲンたっぷりのカレイ・骨付きの鶏肉・鯉・貝類などを積極的に。また、全体に薄味にして、いろいろなものをバランスよく食べることが大切です。

 漢方では、腎を強くし老化に対抗する「補腎薬」を中心に活用します。 冷ええ気味の人は、参茸補血丸、海馬補腎丸、婦宝当帰膠など。ほてり気味の人は、こ菊地黄丸、八仙丸、紅沙棘(ホンサージなど。

瘀血タイプ

 漢方で考える「瘀血」という血行不良タイプの方は、血がうまく流れず老廃物の処理も遅れがちで、皮下の代謝も滞り、たるんだ感じになります。「瘀血」のある人は、肌はどちらかというと黒め、くすんた感じでたるむ、くまもできやすい、肌がざらつききめが粗い感じがする、肩こりや手足の冷えがある、生理痛がひどかったり塊が多かったりする、ポリープや筋腫などの傾向があります。

 「瘀血」傾向の方は、季節の野菜・香りのある野菜、青魚や豆類を積極的に。動物性の脂肪や肉類・揚げ物・甘いもの・味の濃い・アルコール類・たばこのとりすぎは、血液がドロドロしやすくなるので、控えめにしたほうが無難です。 入浴や適当な運動は血行を促進するのでお奨めです。

 漢方では、血行を促し、老廃物の除去・新陳代謝を活発にする「活血薬」を活用します。冠元顆粒、水快宝、紅沙棘(ホンサージ)など。

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